すべてのプロダクトデザイナーにおすすめ!立体構築力を磨く、クレイモデル造形 技能講習会

Aug 18,2017report

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Aug18,2017

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すべてのプロダクトデザイナーにおすすめ! 立体構築力を磨く、クレイモデル造形 技能講習会

文:
TD編集部

「立体」に向き合い、立体を把握・構築する能力や感覚を研鑽する――。そんなクレイモデル造形のワークショップが2017年8月3日・4日に六本木のアクシスギャラリーで開催されました。特にデザイン工程の大部分が画面上で完結する現在、デザイナーにとって立体に関する基礎能力を身につけることは一層重要になっています。有名自動車メーカーのモデラーを講師陣に迎えて行われた講座の様子をレポートします。

 

上級者向けの課題はかなりの高難度! レベルに応じた3つのクラス

講習会では、参加者のスキルに応じてビギナー、中級、上級の3つのクラスが用意されていました。ビギナークラスは、はじめてクレイに触れる人向け。まったくクレイの経験がなくても受講可能です。そして中級クラス、上級クラスになるにつれて難易度が上がり、制作物も複雑になっていきます。

ビギナークラスの課題。左端が基礎形状、右端が完成品

ビギナークラスの課題は、階段に丸みが付いたような造形。まずは基礎となる形状を作ります。発泡スチロールで中子を作り、その上にクレイを盛っていきます。一見シンプルに見えるものの、正確な形状を作るのは難しく、はじめての参加者は直方体を作るだけでも数時間かかるそうです。基礎となる物体を作ったら、あらかじめ作ってあるテンプレートを使って指定された曲率で3種類のRをつけていきます。

中級クラスの製作工程。ステップを追うごとに滑らかな3次曲面になっていく

『中級』では2つの方向の曲面で構成される三次曲面体がテーマです。正確な直方体を作り、その上面を削ってまず一方向にRをつけて二次曲面体を作ります。さらに別の方向にもRをつけ、滑らかな三次曲面として仕上げます。中心の1点だけは直方体から高さに変化がなく、すべての方向に歪みのないRをつけるためには、高い技術が要求されます。

上級クラスの制作物。複雑な面で構成されている

『上級』の課題は図面を読み取って立体物に仕上げる能力が要求されます。課題は凸R(膨らんでいる曲面)、凹R(凹んでいる曲面)、それらの曲面の切り替え部分などで構成され、かなりの高難度。といっても講師陣が手取り足取り教えてくれるから、心配はいりません。立体造形を体得するための要素が多数埋め込まれており、既にクレイを仕事で使っているデザイナーにとってもよい腕試しになるクラスでしょう。

現場のリアルな悩みや疑問がぶつけられた質疑応答

全員が工程を終え、質疑応答の時間に。実際の制作現場での悩みから具体的なテクニックの質問まで、参加者から浴びせられる質問に講師陣が丁寧に答えていきます。

現役・OB問わず、有名自動車メーカーで指導に当たるクレイモデラーの方々の言葉に聞き入る参加者たち

デザイナーは造形のスキルを持つべき

現在プロダクトデザインの制作現場では、デジタル化が進んでいます。デザイナーのスケッチをCADソフトを使って3Dモデルに起こし、画面上で形状の検討。できあがった3Dデータを工場に送れば、その通りの形で製品ができあがってきます。そんな中、クレイモデル造形の訓練をすることは、デザイナーやモデラーにとってどんな意義があるのでしょうか。

熱心に指導する日本産業モデル造形振興会の中川会長

日本産業モデル造形振興会の中川七三一会長は、そんな時代だからこそ「デザイナーは造形のスキルを持つべき」と考えているといいます。同氏はトヨタ自動車で長年クレイモデラーとして活躍し、モデル造形部門全体を統括してきた人物。そんな中川会長に言わせると、立体構築のスキルがないデザイナーはアイデアを形にできないといいます。いくらかっこいいスケッチを描いても、立体にする段階でつじつまの合わないところが出てきたり、また造形力が低いため細部まで立体を詰められず、CAD上で手なりで作成してしまい、当初イメージしていたデザインとは微妙に違うものができあがってしまうケースが少なくないそうです。デザイナーが立体構築のスキルをしっかりと身につけておくことは、「基本のキ」。とても大切なことなのです。

最後は全員が終了証を受け取り、講座終了。このあとはお楽しみの懇親会

クレイモデル造形は、イメージの源泉である脳とつながっている身体を使い、スピーディーに試行錯誤を繰り返しながら、立体を確認できる点が大きなメリット。プロダクトデザインは、最終的なアウトプットが立体物。だからこそ立体物で試行錯誤するステップを、この講習会で体験することはとても重要だと考えます。

終了後の懇親会。世代と業界を越えて様々な話題が飛び交った

この講習会、自動車業界やモデラー志望かどうかにかかわらず「誰もが感覚・感性を研ぎ澄ませながら立体造形を学べる場」として今後も続けていく予定とのこと。日本産業モデル造形振興会のFacebookページトゥールズインターナショナルのコーポレートサイトにお知らせが出されるそうなので、気になる方はチェックしてみてください。

最後に、クレイモデル造形初級編のダイジェスト動画をご紹介。12分と少し長いですが、講座のエッセンスが体感できます。

 

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