【連載】心を動かすgoen°のデザインvol.1 「森本千絵」をつくった美大生時代

Mar 30,2018interview

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Mar30,2018

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【連載】心を動かすgoen°のデザイン vol.1 「森本千絵」をつくった美大生時代

文:
TD編集部

アートディレクター・森本千絵さんへのインタビュー第一回。生命力を感じる独特な世界観と表現力。今回は、彼女のデザインに対する考えが培われた「学生時代」について聞いてみた。

美大時代の友達が今のアイディアの引き出しに

学生時代、そんなにたくさんの課題に取り組んでいたら、かなり忙しかったんじゃないですか。

そうですね。制作もたくさんしましたが……、それ以上に遊びましたよ。
色々な学科の友達がいたんですけど、特に映像の監督をやっている友達は、「とことん面白いことを起こしたい人」たちが多くて、今振り返ると当時は危険な遊びばっかりしていました。
当時の私たちは、世界を変えられると本気で考えている馬鹿というか、みんなと一緒に色んなことに憧れて、色んなことに文句言いながら、ラブ&パンクみたいな感じで過ごしていましたね。

でも、今があるのは、その時の友達のおかげだと思います。
学科もタイプもバラバラな友達がたくさんいました。古着ばっかりの子もいれば、ゴスロリ的な子とか、ヒョウ柄しか着ない子、「夜のお仕事」をしている子もいました。
当時は今みたいな時代じゃなくて、人を見た目で判断できるっていうくらい、見た目で個性がわかった時代でした。見るからにロック好きだよねとか、見るからにおっとりさんだよねとか、分かりやすかった。
藝大や多摩美の子も普通に武蔵美の中にいて、一緒に遊んでいました。卒業式の時に、あの子、多摩美だったのかと気づいたり、実は卒業生だった子もいたり。色んな人が混ざり合っていましたよ。美大の予備校時代から三浪中の受験生とかも友達にいて。なので、入学した段階で知り合いもいたし、積極的にファッションショーや芸術祭などに参加していたので、あらゆる科の友達ができました。

今でも絵を描く時に、洋服のスタイリングとかキャラクターとか、持ち物とか部屋のインテリアデザインなどのディテールを描く時に、あの子はどうだったっけ? とか、いろんな友達のことを思い出します。

最近は、若い子の表現を演出する際にディテールを考えるのが難しくなってきました。
例えば、スマホが当たり前の生活での恋愛シーンとかは私にはうまく描けない。
でも、「これ使えるかも!」という、当時遊んでいた時の瞬間やシーンのストックがたくさんあります。今も新しいアイディアが次々と浮かぶのは、あの頃の友達のおかげですね。

見て、感じて、考える時間

学生時代から続いている作品作りのスタイルなどはありますか。

「音楽を聴きながら企画を考えること」ですね。
当時は武蔵美の近くには住まず、都心の家から車で大学に通っていたので、登下校のクルマの中で往復3時間ぐらい音楽を聴きながら課題の企画を考えていたんです。この時の習慣はいまも続いていて、今でも音楽を聴きながら絵コンテを書きます。
運転していると、カーラジオからランダムに流れて来る音楽とバァーッと入って来る景色がマッチングする。いろんなものを見て、感じて、考える。
当時、それだけ「考える」時間を持てていたことは今振り返っても良かったと感じています。

ありがとうございました。次回は博報堂時代のお話を伺っていきます。

※次回『心を動かすgoen°のデザイン vol.2』は4月6日(金)の更新予定です。

森本 千絵(もりもと・ちえ)

1999年博報堂入社。 オンワード樫山、Canonなどの企業広告,松任谷由実、Mr.Childrenなどのミュージシャンのアートワーク、映画・舞台の美術、動物園や保育園の空間ディレクションなど活動は多岐に渡る。 伊丹十三賞、日本建築学会賞、日経ウーマンオブザイヤー2012など多数受賞。

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