【連載】グッドパッチが挑む、デザインの社会的価値の向上vol.3 学生時代の海外インターンを薦める理由

Jul 28,2017interview

#Goodpatch

Jul28,2017

interview

【連載】グッドパッチが挑む、デザインの社会的価値の向上 vol.3 学生時代の海外インターンを薦める理由

文:
TD編集部

グッドパッチ創業者の土屋尚史氏へのインタビュー。最終回は、これからデザイナーとして活躍したい若手層に対するメッセージを中心に聞きました。未来のモビリティに対する期待についても語っていただいています。

(前回の記事)vol.2 デザイナーの領域を超える仕事

グッドパッチのデザインプロセス

今回は最終回として、この領域でプロを目指す若者へのアドバイスをお願いします。これからのデザイナーに求められるスキルや経験値を積んでいくために、どんな体験が必要になると思われますか。

土屋:これからの学生に言えることは、まず学生時代にインターンなどを利用して企業に働きに行ってみることですね。

グッドパッチさんでも、様々な学生向けのインターンシップやプログラムを実施されているんですよね。

はい。長期のインターンの受け入れももちろん行っていますし、グッドパッチのデザインプロセスに触れる機会を増やしていただくための出張講座にも取り組んでいます。

最近だと、今年3月に、Rubyの街として有名な島根県松江市でデザインプロセスワークショップを開催しました。
島根県は、Rubyの開発者であるまつもとゆきひろさんが在住しているということにより、Rubyを地域の強みとして産官学民が一体となった活動を進めています。
高度技術人材育成の一環として島根県から依頼をいただき、グッドパッチが日頃から開発現場で活用しているデザインプロセスをワークショップとして松江総合ビジネスカレッジIT学科1年生のみなさんに体験していただきました。

松江総合ビジネスカレッジIT学科での出張講座の様子(同社blogより)。

グッドパッチではクライアントワークの際に用いるデザインプロセスを日々研究しています。
現状では、次のプロセスを社内で共有しています。

01. GOOD PROBLEMS
構成案件開始前に、社内でクライアントと案件内容について審議
02. GOOD PEOPLE
案件開始後、まずチームビルディングを実施
03. GOOD PROTOTYPES
すばやくプロトタイピングを繰り返し、ユーザーとマーケットが求めるプロダクトに近づける設計・デザイン・実装を繰り返す
04. GOOD PRODUCTS
ユーザーの声をとりいれながら、プロダクトをよりよいものにし続けるため改善を繰り返す

限られた時間であっても、これらのプロセスをできるだけ体験していただけるように特別カリキュラムを準備するなど、本格的なワークショップを用意しています。

「グッドパッチのデザインプロセスを体験してもらえるプログラムを積極的に開催しています」と語る土屋氏

海外のデザインの現場に飛び込もう

海外だと卒業式が3回あって、次のこの子が7月に卒業、この子が10月に卒業とかっていうのが一般的ですが、日本は一斉就職。「この日までに卒業させないといけない」というのがあるんですよね。

でも過去数年でうちに就職した新卒の中には、卒業の時期が半年ずれている子たちもたくさんいます。海外に行ってましたとか、普通にみんなと同じ時期に卒業してないっていう子が。その中には社会人を凌ぐようなハイレベルな学生もいます。そういった学生に対しては、通常の選考プロセスとは違う『WOW!(ワオ!)採用』という採用方法を用意しています。僕が「WOW!」と思ったら即内定。 そんな特別選考です。
海外に出てインターンで働くということまではできなくても、早い段階から頑張っていた人達を中途採用と同様に評価して優遇してあげたいという想いでこの選考をつくっています。

一般的な就職活動のルートに乗るのではなく、自分で切り開いていくというイメージですね。

はい。国内だけでなく、より視野を広く持って海外のデザインの現場に飛び込んでみるのもいいと思います。
僕がサンフランシスコのデザイン会社で働いているときには、学生がかなりインターンとして来ていました。
インターンって、日本だとなかなか責任ある仕事は任せてもらえなかったりするケースが多いんですが、そこでは普通に学生がクライアントワークに混じっていました。

それから、デザインの仕事でインターンに参加するのもいいですけど、全然違う領域の仕事を経験してみるのもありだと思ってます。例えば、今うちでインターンとして働いている男の子。大学はデザイン専攻で、以前は他の会社でデザインをやってたんですけど、うちではマーケティングの仕事を任せています。マーケティングの仕事でも実力をつけた後で、入社した後にデザインを担当してもらうのも全然ありだと思っています。視野が広がるので。

プロマネもできるデザイナーが海外にはゴロゴロいる

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