プロマネもできるデザイナーが海外にはゴロゴロいる
デザイナーたちが抱える課題感の中に「視野が狭い」というのはあると思っています。グッドパッチでは、もともとデザイナーだった人がプロジェクトマネージャーになったり、もともとプロジェクトマネージャーだった人がデザイナーになる、というパターンも頻繁にあります。
例えばロンドン発のデザインスタジオustwoでは、プロジェクトによって役割を柔軟に変更していますね。デザイナーだけどプロジェクトマネージャーをやってたりとか、プロジェクトの中にプロジェクトマネージャーがいないときは他のデザイナーがファシリテーションしたりとか。
普通に物価の違いがあるので一概に言えない部分はありますが、シリコンバレーの第一線で活躍するUXデザイナーになると、年収2000万円以上の人も相当な数いるそうですよ。
そうですね。日本では、プランニングを誰かがやってそれを形にすることをデザインということが多いのですが、日本以外ではそれをデザインとは呼びません。クライアントと議論をして課題を分析したり、プランニングしてそれを形にするまでがデザイナーの仕事です。
私たちはデザインを適切に理解しているデザイナーを世の中に増やしていきたいと思っています。ですから、自社の採用には力を入れていますが、ずっとグッドパッチに居続けてもらう、ということは重要視していません。
グッドパッチで働き続けてくれるのはありがたいですが、グッドパッチを卒業して色々な場所で活躍してもらった方が、世の中にはいいデザイナーが確実に増えると信じていますから。
スマートフォンとクルマの連携
家族と出かけるときには車に乗っていますし、車はもともと好きですよ。ここから数年とかの話でいくと、やっぱりスマートフォンなどとの連携が楽しみですよね。
パーソナルデータがアプリなどに入っていて、車のコンパネにセットしてBluetoothで全部起動したらあらゆるものがつながっていて、ドライバーの好みに合わせて自動調整してくれる、情報を提供してくれる、みたいな……。シートの位置やハンドルの位置もスマートフォン端末に記憶させたりとか。
そういう時代が来るだろうなと思っています。

それからスマートロック。ドライバーがクルマから離れたら自動的にロックする機能とか。
キーをポケットから取り出してピピッとやる、あの動作すら面倒くさいですから、基本的にはスマートフォンを取り出してポケットに入れて、しばらくしたらガチャッと締まってほしいわけです。
コンセプトカーにあるような、近未来的な感じには今はあまり興味はなくて。自動運転も、当然完全自動運転になることはしばらくはないだろうなとは思ってるので。単純に車のマップアプリケーションの使い勝手を向上してほしいですね。

でも、それも全部多分、デザインの力だと感じますね。UXの視点でいうとレクサスが好きですね。スマートフォンとの連携具合でいってもレクサスのほうが良いと思っています。
ただ、今は日本で販売してませんが、欧米で発売されているAudi Q5は恐らく相当改善されてるはずなんです。
レクサスよりもよくなっている可能性もあるんじゃないかと、期待しています。

読者プレゼントをもらったよ


土屋尚史(つちや・なおふみ)
株式会社グッドパッチ 代表取締役社長 / CEO 1983年生まれ。Webディレクターとして働き、サンフランシスコに渡る。btrax Inc.にてスタートアップの海外進出支援などを経験し、2011年9月に株式会社グッドパッチを設立。 UIデザインを強みにしたプロダクト開発でスタートアップから大手企業まで数々の企業を支援。 2015年にベルリン、2016年には台北に進出。 自社で開発しているプロトタイピングツール「Prott」、フィードバックツール「Balto」はグッドデザイン賞を受賞している。http://goodpatch.com/


