バイクからF1マシンまで!エンジンの動きを精密なCGで再現|TDおすすめアプリシリーズ vol. 5

NEW Jul 23,2019report

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バイクからF1マシンまで!エンジンの動きを精密なCGで再現 |TDおすすめアプリシリーズ vol. 5

文:
TD編集部 出雲井

「マニアックだけど好きな人にとってはトコトン楽しめるアプリ」を不定期で紹介していく連載企画。今回は「エンジンの魅力」を堪能できるアプリを紹介。ついにここまで来たか……と編集部一同感動すら覚えた、超マニアックなエンジン体験をあなたもぜひ。

※TOP画像・本文中スクリーンショットは「Trans4motor」プレスキットより使用

エンジンを知れば、クルマがもっと愛おしくなる

直列、V型、ボクサー、ロータリー。皆さんはどのくらいエンジンの種類を知っているだろうか。クルマのカタログにV型6気筒と書かれていたら、そのエンジンがどんな形でどんな向きに搭載されているかイメージできるだろうか。そんなことは知らなくても運転できる、と言われれば確かにその通り。

でも、エンジンの形式によって音や揺れ方などの特徴が違う。だからエンジンのことを知ると、クルマの運転はもっと楽しくなる。「やっぱり直6は完全バランスだからスムーズだよね」とか、「このクルマは2気筒だから鼓動感があるな」とか、ひとりうんちくを垂れながらクルマを味わえるようになる。

ちょっと想像してみてほしい。交差点で信号待ちをしているとき、目の前を行き交うたくさんのクルマ。そのほとんどすべてのクルマがエンジンを積んでいて、その中ではガソリン(または軽油)がせっせと爆発して推進力を生み出している。
速そうなスポーツカーも、ピザ配達のバイクも、路線バスも、すべて同じ原理で動いている(ここではEVは忘れてください)。筒の中で燃料を爆発させ、その力でピストンを押し出して軸を回転させる。クルマから聞こえてくるブーンというエンジン音は、そんな爆発が1秒間に数百回(4気筒エンジンで毎分3000回転なら爆発は毎秒100回)も積み重なって発せられる音なのだ。これってとてつもなくすごいことじゃないだろうか。

冒頭からエンジン愛を語りすぎて申し訳ないが、エンジンのすごさは、頭では分かっていてもいまいちイメージがわかないだろう。そこで紹介したいのが「Trans4motor」(キットピーク、360円)だ。現在iOS 6.0以降、iOS7、iOS8、iOS9、iOS10、iOS11、iOS12に対応している。

まずは上の動画を見ていただきたい。「Trans4motor」は、エンジンを構成する主要部品をCGで再現し、動作している様子をアニメーションで見せてくれるアプリだ。
どこから燃料を吸い込んで、どのように動力を生み出しているのか。そのメカニズムが視覚的に理解できるようになっている。実際に動いているところを見れば、エンジンという機械のすごさが伝わってくるはずだ! ちなみにこのアプリのアニメーションは実際のエンジンの10分の1程度のスピードになっている。リアルなスピードにすると速すぎて見えないからだ。そんな猛烈な機械が積まれていると思えば、その辺を走る軽トラにだって背後から敬礼したくなる。

さて、Trans4motorに収録されているエンジンは、全部で23種類。バイク(単気筒)からF1マシン(水平対向12気筒)まで、幅広い。だから1日ひとつずつエンジンを楽しんだとしても、3週間以上楽しめる。さらにそれらのエンジンをベースにして新しいエンジンを作ることもできるから、1年でも2年でも楽しめるはずだ。

ホンダのレーシングバイクRC211V のV型5気筒エンジンも収録 写真:Rikita

このアプリのいいところは、エンジンを自分の指で回したり拡大・縮小したりして、見たいところを好きなだけ眺められること。YouTubeなどを検索すればエンジンの構造を説明する動画は山ほど見つかるが、見たいところが簡略化されていたり、見えにくかったりと、全体像が分かりにくいものも多い。その点Trans4motorは、まるで手元に動いているエンジンの模型があるようなもの。ぐるぐる回して気になるところをじっくり眺められる。「今晩はカムとバルブを眺めたい気分だな」と思ったら二本指で拡大するだけだ。

回転数を上下させたいときは、指でタコメーターを動かせばよい。心配になるほどの高速回転もできるし、回転数を下げていけばスローモーションでエンジンの構造をじっくり眺められる。複雑なエンジンが猛然と回る姿は迫力があり、筆者の様なエンジン好きでなくとも、つい時を忘れて眺めてしまうはず。
先ほど紹介したとおり、このアプリでは回転数のアニメーションは通常の動きの10分の1程度に落としてある。つまり本物のエンジンは、穏やかにアイドリングしている状態でも、このアプリで高回転でぶん回しているときと同じくらいの高速で動いているということ。いかにエンジンがとんでもない機械なのかがよく分かる。

エンジン好きならぜひ導入したいのが、アプリ内課金(240円)で追加できるエンジンサウンドの再生機能。マフラーを通した音ではないので実車と全く同じというわけではないが、冒頭の動画を見れば分かるとおり、力強い単気筒の音から甲高い12気筒の音まで、それぞれちゃんと違いが分かるサウンドが再現されている。
筆者は360°クランク並列2気筒のバイクに乗っているが、カスタム機能でエンジンを再現してみたら音の高さといいパラパラした感じといい、かなり雰囲気が近いサウンドになった。何よりもブォーンというエンジン音を聞くだけで気持ちが高まるので、ぜひ導入したい機能だ。

エンジンの違いを学ぶのに最適

Trans4motorのハイライトが、ひとつのエンジンから次のエンジンへと切り替わるときのアニメーション。画面が切り替わるのではなく、エンジンが回ったまま、元のエンジンに気筒が追加されたり角度が変わったりしながら変形していく。これが秀逸で、各エンジンの違いが分かりやすいのだ。

例えば、大多数のコンパクトカーが搭載する直列4気筒からV型12気筒に変化させてみると、どんどん気筒が追加されて巨大化し、その圧倒的な大きさの違いを実感できる。このデカさでは、とてもトヨタ ヴィッツのボンネットには入らない。そうか、古典的なスポーツカーの理想とされる「ロングノーズ・ショートデッキ」の長大なボンネットは、V8とかV12といった大きなエンジンを載せるためなんだな、と理解できる。

長いボンネット内に5.3リッターV型12気筒エンジンを搭載したジャガーEタイプ シリーズ3 写真:GeorgHH

あるいは直列4気筒からスバルが得意とする水平対向4気筒に変化させてみると、エンジンの長さは若干短くなり、その代わり幅が思い切り広がる。見るからに、ボンネットに収めるのに苦労しそうな形だ。バルブを動かすカムシャフトの数も増え、構造も複雑。こんな面倒くさそうなエンジンを作り続けるスバルは本当に頑固だな(ほめ言葉です)なんて驚くだろう。

低重心の水平対向4気筒エンジンを搭載したスバルBRZ 写真:Tokumeigakarinoaoshima

さらにTrans4motorでは一般的なDOHCエンジンだけでなく、OHVやドゥカティのデスモドロミック機構、さらにはロータリーエンジンまで再現されている。エンジン好きにはたまらない内容だ。カスタムエンジンをつくる機能ではボア・ストロークのほか、Vバンク角や点火順序、点火間隔まで細かく設定できるのもうれしい。「3気筒のクロスプレーンを再現したい」なんてマニアックな要望にも応えてくれるのだ。

エンジンは普段ボンネットの中に隠されていて、ドライバーからはなかなかその構造が見えないもの。だが、いずれモーターの時代が来るといっても、それはまだまだ先の話で、これからも生活のさまざまな場面でエンジンのお世話になるだろう。だから、人類の偉大な発明のひとつであるエンジンについて、このアプリで学んでおくのも悪くないのではないだろうか。
エンジンに詳しくない方でも視覚的にエンジンの基本構造を学べるし、マニアなら酒のお伴にぴったり。ぜひ試してみてほしい。

 

 

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