【連載】代官山 蔦屋書店 モーニングクルーズ誕生秘話(前編)大ヒット企画のはじまりは「立ち話」と「電話集客」

Jan 18,2019interview

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Jan18,2019

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【連載】代官山 蔦屋書店 モーニングクルーズ誕生秘話(前編) 大ヒット企画のはじまりは「立ち話」と「電話集客」

文:
TD編集部 青柳 真紗美

今回と来週、前後編でお届けするのは、代官山 蔦屋書店「クルマ・バイクコーナー」の清野龍太(せいの・りゅうた)さんへのインタビュー。毎月第2日曜の朝、開催される「モーニングクルーズ」にはこれまでに約5000台以上のクルマが参加したそう。そんなヒット企画が生まれた背景と、仕掛け人の清野さんの素顔をお届けします。

会計士志望だった清野さんがクルマの専門書店で働くようになったきっかけ

清野さんはこのお仕事を始めてどれくらいですか。もともと書店員志望だったんですか?

CCCに入社してからは7年です。クルマの本とかを売り始めてからはもう10年ぐらい。
昔からとにかくクルマが好きだっただけで、書店員なんて無理(笑)。今でも自分が書店員だという実感は、正直ありません。

うちのスタッフはみんなすごいんです。各ジャンルに詳しい人がたくさんいて……「この作家さんのこの本がすごい」とか「この建築家さんのこれがすごくて」とか、毎日そんな会話が飛び交っていますが、僕は全く知らないんです。
みんなが読んでいるようなベストセラーもほとんど読んだことがない。
クルマの本とか雑誌とかは読みますが、でも書店員だという感覚はありません。

ちなみに代官山 蔦屋書店に来る前は何をされていたんですか。

僕は世田谷にあった「リンドバーグ」というクルマとバイクの専門書店で働いていたんですよ。1985年にできた、日本で最初の「自動車とオートバイのための専門書店」で、かなりマニアックな出版物も取り扱っていました。この代官山 蔦屋書店ができる時、リンドバーグが「クルマ・バイクコーナー」という形で合流することになって、「今度うち、代官山になるけど。行く?」と言われて、「はぁ。行きます」って(笑)。
感覚としては、クルマが好きだったので、何気なくクルマの本屋によく行くようになって、29歳の時にリンドバーグに入って、気がついたらここにいた、という感じです。

リンドバーグに行く前は……? 書店員志望ではなかったんですよね?

大学時代は経営コンサルタントになりたかったんです。就職活動でもコンサルティングファームを受けていましたがなかなか受からず、マーケティングリサーチの会社に入ったんです。でも1年ぐらいで辞めて、会計士の勉強を始めました。だけどそれもやっぱり上手くいかなくて。
29歳になったときに、さすがに無理だと。
やり切った、これで落ちるんだったらもういいかと割り切ったときに、ふと目に入ったのがリンドバーグの求人だったんです。クルマは幼い頃から大好きだった。それで、勢いに乗って面接に行ったら、「どうぞ」って(笑)。

そこから。子どもの頃からクルマが好きだったんですね。

クルマ好きになったきっかけは、テレビで見たF1でした。ちょうどアイルトン=セナが人気を博していた時代ですね。
F1にハマってからはとにかく情報が欲しくて『auto sport』を読み始めました。そしたら他のレースも当然載っていますよね、F1だけじゃなくてラリーとか、ツーリングカーレースとか。そうすると、そのクルマに興味が湧くわけです。
あの頃だとスカイラインとか、ランチア・デルタとか……。そこから徐々にクルマ雑誌を読むようになりました。

モータースポーツがきっかけというのは結構、珍しいかもしれませんね。
街を走ってるクルマでスーパーカーを見つけて憧れる……みたいなきっかけが多いように思います。

実はスーパーカーにはあんまり興味がないんです。スタイリングも素敵だし、いいクルマだとは思うんですが。
個人的にはレースベースなクルマがたまらなくて。僕が好きなのはBMW M3、スカイライン、シビックとか、デルタとかセリカとか、パルサーとか。
「レースベースで等身大で動いてるクルマ」(笑)。

まぁそんな感じでそれでクルマに興味を持つようになって。
とはいえクルマに関連する仕事でメシを食うことになるなんて夢にも思ってなかったですけどね。

ありがとうございます。後編では、モーニングクルーズをはじめとする企画の生み出し方について伺っていきたいと思います。

代官山 蔦屋書店 モーニングクルーズ誕生秘話(後編)』は1月25日(金)の更新予定です。

清野 龍太(せいの・りゅうた)

代官山 蔦屋書店 クルマ・バイクコンシェルジュ。 2001年に多摩大学を卒業後、リサーチ会社を経てクルマとバイクの専門書店「リンドバーグ」へ。その後2011年オープンした代官山 蔦屋書店のコンシェルジュとなり今に至る。愛車は中学生から憧れたランチア・デルタ・インテグラーレ。そのハンドルを握って走っているのが自分にとって大事にしたい時間。1978年生まれ。

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