小型モビリティの設計に携わり続けた鶴巻社長が挑むFOMM ONEの世界

NEW Sep 28,2018report

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小型モビリティの設計に携わり続けた鶴巻社長が挑む FOMM ONEの世界

文:
TD編集部 出雲井

2019年、いよいよタイで販売を開始するFOMM ONE(フォム・ワン)。前回はその試乗レポートをお届けした。今回は、FOMMの創業者であり代表取締役CEOである鶴巻日出夫氏にインタビュー。鶴巻社長はエンジニア出身。これまでのTDとは少し異なるアプローチで、「技術」と「ビジネス」を中心に聞いてきた。

(前回の記事)ファースト・ワン・マイル・モビリティ 「FOMM ONE」に乗ってきた!

「ファースト・ワン・マイル」へのこだわり

FOMM ONEは、非常にコンパクトな4人乗りのEV(電気自動車)です。株式会社FOMMという社名自体も”First One Mile Mobility” が由来ですが、なぜ小さいモビリティにフォーカスしているのでしょうか。

鶴巻:ひとつには地球環境に貢献したいという思いがあります。小さいクルマなら使う素材も少なく、重量も軽くできるからバッテリーも小さくてすみます。単に走るときの燃費といった話だけではなく、ライフサイクル、つまりクルマの走行時だけでなく製造から廃棄までをトータルで見ても、車体が小さければ小さいほど環境への負荷が小さくなるわけです。

もうひとつ、私が小さいものを作るのが得意ということもありますね。
もともとスズキで二輪車の設計を担当し、その後もアラコで初代コムス、トヨタ車体で現行コムスの開発に携わってきました。EV開発のSIM-Driveを経て2013年に株式会社FOMMを設立しました。ですから小型の乗りものに関しては多くの経験があります。
必然的にFOMMでは小型EVを作るという発想になりました。

本社のあるかわさき新産業創造センター内で試乗後にインタビューさせてもらった。
二輪車の設計やコムスでの経験はFOMM ONEにつながっていますか。

はい。長くコムスに携わってきましたから、自分の中で改善したいポイントがありました。
例えばFOMMで作るクルマは広く一般家庭に普及させたいと思っていますから、1人乗りでは厳しいものがあります。実際私もコムスを開発したとき「我が家でもコムスを買いたい」と妻に申し出たことがあるんですが、却下されました(笑)。

小さなクルマは、どうしても軽自動車と比較されてしまいます。
そのとき、ドアもない、クーラーもない、ということではなかなか手を出せないですよね。
バッテリーの問題もありました。コムスでは鉛電池を採用していますが、これだと(容量に対して重いため)航続距離が短くなってしまいます。コムスの走行距離は50km程度だと思いますが、短く感じる人もいるかもしれません。

だからFOMM ONEには、これまで自分でEVに乗って改善したいと思ったところをすべて入れました。その分、価格が高くなってしまいましたが。

インホイールモーターを採用したのもコムスの経験が生きているのでしょうか。

もちろんです。ただ、旧型コムスがリアにインホイールモーターを搭載しているのに対し、FOMM ONEはフロントに搭載しているという違いがあります。これは、コムスでリアモーターでは電力の回生量が稼げないという経験をしたためです。 

クルマはブレーキをかけるとフロントの荷重が増え、リヤの荷重が減ります。その荷重の少ないリヤタイヤで強く回生をしようとすると、タイヤがスリップしてしまうことがあります。
そこでコムスは回生量をコントロールしていました。FOMMでは少しでも回生量を増やすため、設計当初からフロントにモーターを入れると決めていました。

設計当初からフロントに入れると決めていたインホイールモーター
市場の声を聞いて大幅チェンジしたデザイン
 

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