秘密兵器はなんとあの調理道具?!
まず着手したのは用意された中子を削る作業。ストラトス・ゼロの全高は一般的なセダンの半分ちょっとしかないから、その分削らないといけないのだ。
小学生には難しいので、途中から先生に代わってもらった。何しろクレイモデル作りは、通常は何週間もかけてするような作業。2時間半という時間内で仕上げるには、かなりのスピードで作業しないと間に合わない。


なんとか中子を削り終えたら、いよいよクレイの登場だ。温かいクレイを指で中子に盛っていく。
先生は色を塗るように指で手際よくクレイをつけていくのだが、実際にやってみるとなかなか難しい。ストラトス・ゼロはフロントのオーバーハング(タイヤよりさらに前の部分)が長く、その部分をくっつけるのにも苦労した。


ある程度クレイを盛ったら、面を平らにするために削っていく。ギザギザの歯がついた道具や、なんとチーズ削り器(!)まで登場。クレイ専用の道具は少ないので、各モデラーさんがいろいろな道具を工夫して使っているそうだ。
さらにヘラで滑らかにすると、かなりスーパーカーっぽい形になってきた。
クレイは削りすぎてしまってもまた盛り直せばいい。とはいえ、削るときはやはり緊張する。大胆に削っていく息子の手つきを見てハラハラしてしまった。


ボンネットからルーフ、リヤエンドまでのシルエットがだいたいできたところで、今度はボディの側面を削っていく。
ここでじっくり実車の写真を見てみると、側面がかなり大胆に傾斜していることに気づいた。フロントタイヤ部分は平らなのに、その後ろ部分が急激に折れ曲がっているのだ。この造形を忠実に再現するのはかなり難易度が高い。
わりとシンプルだと思っていたストラトス・ゼロのデザイン、よくみるとかなり複雑だぞ。


「できるところまで似せることにしましょう」と菅田先生と相談してできたのがこんな形。
さすがプロ、雰囲気は似せることができた。自分一人でクレイをこねくりまわしてもここまではとてもできないだろう。




